2012 .03 .12ジェイコブ・コーラー
『シネマティック・ピアノ・
パラダイス』コンサート・レポート
大学卒業後に知り合いを訪ねて来日。その時に誘われて、小さなレストランでピアノを弾いたそうです。アメリカでは生演奏であってもそれはBGM。聴いてくれる人がいないのが普通なのに、日本では誰もが静かに演奏に耳を傾け、そして温かな拍手を送ってくれた。その感動がジェイコブ・コーラーの日本移住のきっかけとなり、現在はライヴ活動と並行してレコーディングにも積極的に取り組んでいます。 新作『シネマティック・ピアノ・パラダイス』は、映画音楽の名曲をテーマにした意欲作です。

『シネマティック・ピアノ・パラダイス』コンサート・レポート

4月26日に原宿ラドンナで行われたジェイコブ・コーラーのコンサート。 アルバムがロングセラーを続けるなか、前評判が高く、ソールドアウトになったそうです。 そのコンサートをご覧いただいた部員のKさんから寄せられた感想をご紹介します。

「久しぶりに会った従妹と2人で楽しませていただきました。
素敵な音楽は、ココロを潤してくれますね。
このところ忙しい毎日でしたが、とても贅沢な時間を過ごさせていただきました。
ジャズは、少し敷居の高いイメージであまり詳しくありませんが、今回のプログラムは、映画音楽のアレンジでしたので、私でも知っているメロディばかりで楽しめました。
ぜひこれからも機会があれば、ライヴなどに足を運べたらと思います」

Kさん、ありがとうございました。
 ジャズは、敷居の高い音楽じゃないですよ。
 もっと気楽に楽しんでください。
 女子JAZZ部でもお勧めのコンサートをご紹介していきたいと思っています。



淡い色彩を放つ印象派のようなピアノ

なぜ映画音楽をテーマに選ばれたのでしょうか。

「典型的なジャズ・アルバムにはしたくない。その思いは明確にあったけれど、では、どんな作品を作りたいのか。テーマがなかなか見つからず模索していたところに、レコード会社から映画音楽を提案された。それを聞いて僕は思い出したんだ。高校生の頃、映画音楽の作曲家になりたかったんだよなぁって。
 それからすぐに選曲に入った。自分ひとりで選ぶと偏るから、レコード会社のスタッフにも提案してもらった。ミーティングを重ね、候補曲を自分でアレンジしてみて、そうして最終的にこの13曲になった」

モリコーネからスタンダード、アニメまで幅広い選曲ですが、選ぶ際のポイントは?

「抽象的な言い方をすれば、僕のスタイルに合っているか、どうか。カヴァーする時に僕が大切にしているのは、原曲の良さを大切にしつつ、アレンジで僕のカラーを打ち出すこと。原曲どおりに弾くのであれば、演奏する意味がないと思っている。
いいなと思う曲でもアレンジしてみると、うまくいかず、あきらめたものもある。なかには『風の谷のナウシカ』のように僕が知らなかった曲もあるけれど、提案してもらってから映画も観た。アメリカ人の僕からすると、ちょっと不思議な感覚の作品だったけれど、演奏は楽しめたよ」

アルバムの冒頭を飾るモリコーネの『ニュー・シネマ・パラダイス~愛のテーマ』がとてもエモーショナルで、リスナーから“泣ける”という反響が寄せられているそうですが…。

「モリコーネは、アメリカではあまり知られていない作曲家。意外でしょ? 僕自身は、この作品をきっかけに彼を深く知ることになった。モリコーネの音楽は、全般に甘いメロディーが多いけれど、でも、単に甘いだけではなく、奥深い美しいテーマがある。実力のない作曲家が甘いメロディーを書くと、陳腐な曲になることがあるけれど、モリコーネの曲は、演奏家が探求したくなる音楽だと思う」

その『ニュー・シネマ・パラダイス~愛のテーマ』でチェリストの溝口肇さんと共演していますよね。今回は、他にも多彩なゲストが参加していらっしゃいますが、これにはどんな理由があるのでしょうか。

「テーマが決まる前から今回の作品ではソロではなく、ゲストを迎えてバラエティに富んだ編成でレコーディングしたいと思った。その中で絶対に共演したかったのが溝口肇さん。初めて共演した時に彼のチェロに聴き惚れてしまった(笑)。いつか僕の作品で再共演したいと思っていたのが今回ようやく実現したというわけ」

ところで、ジェイコブさんのピアノって本当に優しいタッチですよね。

「これが僕のスタイル。意識して優しく弾いているわけじゃない。ただ、今回は同じトーンを最初から最後まで保ちたいと思ったので、そこだけは意識したかな。
僕は大学でジャズを学んだけれど、その前に子供の頃からクラシックを習い、ロックやポップも並行して聴いてきた。ジャズは、僕のひとつの側面。インプロヴィゼーションは楽しいけれど、必須のものではなくて、あくまでもアレンジの道具のひとつだと思っている。それもあって優しいタッチのピアノという印象を与えるんだと思うよ」

そんなジェイコブ・コーラーのライヴが原宿ラドンナで行われます。詳細は、下記をご覧いただきたいと思いますが、ゲストにチェリストの溝口肇、ヴァイオリンの真部裕を迎えます。ぜひ足をお運びください。お勧めです。


<<ライブ情報>>
日時:2012年 4月26日(木)
1st 19:30  2nd 21:00
会場:原宿ラドンナ   http://www.la-donna.jp/performance/711.html
ゲスト:溝口肇(チェロ)/真部裕(ヴァイオリン)
チケット:前売り4000円/当日4500円
『シネマティック・ピアノ・パラダイス』
【収録曲】
『ニュー・シネマ・パラダイス~愛のテーマ』with溝口肇/『ノルウェーの森』/『スマイル』with畠山美由紀/『モーツァルト交響曲25番第1楽章』/『マイ・フェイバリット・シングス』/『オール・バイ・マイセルフ』withGENKI/『サウンド・オブ・サイレンス』/『シェイプ・オブ・マイ・ハート』with樹里からん/『リベルタンゴ』/『風の谷のナウシカ』/『ドリームス』(オリジナル楽曲)/『ワイルド・チャイルド』with mitsuko/『オーバー・ザ・レインボウ』

【PROFILE】
1980年米国アリゾナ州・フェニックス生まれ。4歳よりピアノを始め、中学卒業までに10以上のクラシックピアノコンクールで優勝する。14歳の時に”作曲”と”即興”への情熱を見いだし、高校でジャズバンドに入部。ジャズの才能を開花させ、まもなく地元のクラブでジャズミュージシャン達と共演。大学は、アリゾナ州立大学に進み、クラシックピアノとジャズピアノを専攻する。大学卒業後に初来日。3ヶ月間滞在する。そして、2009年5月に日本に移住。これまでにオーマガトキからアルバム4枚をリリースしている。
*好きな作曲家:フィリップ・グラス、ジョン・ウィリアムス、スティーヴ・ライヒ、ショパン、ショスタコビッチ
*好きなピアニスト:キース・ジャレット、オスカー・ピーターソン、チック・コリア

『シネマティック・ピアノ・パラダイス』
ジェイコブ・コーラー
(オーマガトキ)
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