No.39  オーネット・コールマン

曲のキーやコード進行、リズム、テンポにも縛られない、より自由な即興プレイの可能性を追求したフリー・ジャズ。このビバップ以来のジャズ革命と言われたスタイルのオリジネイターにして、インプロヴィゼーションの権化とも呼べるのが、アルト・サックス奏者のオーネット・コールマンです。
オーネット・コールマンは、1930年にテキサス州フォートワースに生まれました。父親は野球選手でしたが、オーネットが7歳の時に他界。その後は、母親が女手ひとつで彼を育てました。14歳でアルト・サックスを手にして仲間とバンドを組み、間もなくセミ・プロとしてナイトクラブなどでジャズやR&Bを演奏するようになります。その後、いくつかのR&Bグループを転々としますが、そこではテナー・サックスを吹いていました。
1950年にロサンゼルスに進出しますが、音楽では食べていけず職を渡り歩きます。しかし、その間に独自の音楽理論を築き上げ、トランペットのドン・チェリーら賛同者を得ると、1958年にコンテンポラリー・レーベルで初リーダー作を制作。そして、オーネットの才能を高く評価したMJQのジョン・ルイスと知り合い、彼の薦めでニューヨークへ移ります。さらにルイスのバック・アップで、1959年にアトランティック・レコードへ移籍。ここで、ジャズ界に賛否両論の渦を巻き起こした世紀の問題作『ジャズ来るべきもの』が発表されます。
オーネットのフリー・ジャズは、ミュージシャンの間でも賛否を呼び、例えばジョン・コルトーレーンからは結果的に支持されましたが、マイルス・デイヴィスは否定的でした。そして、伝統を重んじる旧来のジャズ・ファンからは激しいバッシングの声も上がりました。しかし、オーネットはその手を緩めず、さらなる問題作、その名も『フリー・ジャズ』などを発表し、フリー・ジャズ・ブームは、興隆していきます。
1960年代に入って一時休養し、その間にトランペットとヴァイオリンを習得。1965年に復帰すると、その成果を自らの作品で披露しました。以後は、再び精力的な活動を開始し、ブルーノートやインパルスなどから数々の問題作、野心作を発表します。1970年代後半からはエレクトリック・サウンドとロック・リズムにも接近。また、独自のハーモロディクス理論を提唱し、そこに民族音楽を取り入れた作品などで高い評価を受けます。1986年にはオーネットの信奉者でもあるパット・メセニーとの共演アルバムを制作。1990年代、そして20世紀に突入し、80歳を超えた現在も、生ける伝説のジャズ巨人として健在ぶりを示しています。

『フリー・ジャズ(+1)』
(ワーナー)

アルバム全体が37分の全1曲からなる即興アルバム。2つの2ホーン・カルテットをステレオの左右のチャンネルに振り分けて同時に演奏するという奇想天外なレコーディング手法でも有名。
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