No.34  ウェス・モンゴメリー

管楽器に匹敵する饒舌さと歌心溢れるプレイでジャズにおけるギターに革新をもたらし、ジョージ・ベンソンを始めとする後進に大きな影響を与えたギタリスト、ウェス・モンゴメリー。そして、ウェスはジャズ・ギター特有の演奏テクニックとして有名なオクターブ奏法の生みの親としても知られています。
ウェス・モンゴメリーことジョン・レスリー・モンゴメリーは、1923年にインディアナ州インディアナポリスで生まれ、ほどなくしてオハイオ州コロンブスに移りました。11歳の時に初めてギターを手にして独学でマスターしていきます。兄のモンクがベース、弟のバディがピアノと、他の兄弟もそれぞれ楽器を習得し、後にモンゴメリー三兄弟として名を馳せます。
ウェスは17歳の時にインディアナポリスに戻り、プロ・ミュージシャンとしての活動を開始します。ベニー・グッドマン楽団のギタリスト、チャーリー・クリスチャンのプレイを熱心に研究して腕を磨き、ウェス独特の親指一本でピッキングするスタイルや、オクターブ離れた音を同時に発するオクターブ奏法を独自に開発し、個性的なスタイルを築いていきます。
そして、1948年にライオネル・ハンプトン楽団がインディアナポリスを訪れた時に実施したオーディションに合格。楽団のメンバーだったチャールス・ミンガスやファッツ・ナヴァロと一緒にプレイする機会を得ます。しかし、在籍2年で退団すると、ウェスは再びインディアナポリスに舞い戻り、昼は工場で働き夜はクラブで演奏という生活をしばらく続けます。この間は兄弟で共演する機会も多く、結局1957年にモンゴメリー三兄弟でロサンゼルスに移りレコード・デビューを果たします。ところが、モンクとバディはロスに拠点を移しますが、ウェスはまたもやインディアナポリスに戻って地元での活動に重点を置きます。 すると、1959年にインディアナポリスにやって来たキャノンボール・アダレイがウェスのプレイを目にして気に入り、リバーサイド・レーベルに彼を推薦します。ここで『インクレディブル・ジャズ・ギター』を始めとする名盤を次々に発表し、ウェスはビッグ・ネームの仲間入りをしていきます。
1964年には敏腕プロデューサーのクリード・テイラーに請われてヴァーヴに移籍。ウィントン・ケリーとの共演作などで話題を集めます。が、1967年にテイラーがA&M傘下に自らのレーベルCTIを興すとウェスもそこに移ります。そして、このクロスオーヴァーの先駆的レーベルの第一弾として『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』をリリース。すると、これが20万枚を超えるヒットとなり、ウェスはジャズを超えてポップ・シーンでも大きな知名度を得ることになります。しかし、その一年後の1968年6月15日、絶頂期にありながらウェスは突如この世を去ります。元々、狭心症の持病を持っていたウェスを突然の発作が襲っての心臓麻痺が原因でした。

『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』
(ユニバーサル)

イージー・リスニング路線と揶揄されることもあるが、ジャズからフュージョン時代への橋渡し的な役割も果たした重要な一枚。タイトル曲を含む2曲のビートルズ・ナンバーが出色の出来。
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