No.33  デューク・エリントン

スウィング・ジャズ隆盛時代の立役者の一人であるとともに、ジャズの範疇を大きく超えて、20世紀の音楽史にその名を刻む大作曲家として知られるのが、ビッグ・バンドのリーダーでピアニストでもあるデューク・エリントンです。
デューク・エリントンことエドワード・ケネディ・エリントンは、1899年にワシントンD.C.で当時の黒人としては比較的裕福な中流家庭に生まれました。父親は白人上流階級の家庭で執事として働き、ホワイトハウスにもしばしば出入りしていました。その影響もあって、幼い頃から身なりが綺麗で立ち居振る舞いが優雅だったエリントン少年は、友達から“デューク(公爵)”とあだ名されていたのです。
小学校低学年からピアノを習い始め、地元のアームストロング高校に進むと高度な作曲理論を学び、早々と曲作りに励むようになります。間もなく高校を中退するとニューヨークに進出。“バロン・ウィルキンス・クラブ”というジャズ・クラブで演奏を開始し、しばらくすると“ハリウッド・クラブ”という別のジャズ・クラブの専属となって活動するようになります。
1924年には自らがリーダーとなるバンドを結成。さらに、翌1925年には『チョコレート・キディーズ』というミュージカルの作曲を担当するなど、エリントンは徐々に頭角を現していきます。そして、1927年にニューヨークのハーレムにある高級ナイト・クラブ“コットン・クラブ”と専属契約を結び、以降3年余りに亘ってデューク・エリントン楽団はここを拠点に活動します。その間にエリントンは数々のレパートリーを作り上げ、クラブでの演奏がラジオで放送されて人気を呼び、彼らの演奏は次々とレコード化されていきます。
“コットン・クラブ”での安定した活動を基盤に進化を遂げたエリントン楽団は、1931年にクラブとの契約を解消すると、全米各地や世界各国を巡るツアーに出ます。この時期に「スウィングしなけりゃ意味ないね」、「ソフィスティケイテッド・レディ」、そして映画『スウィングガールズ』でも印象的に演奏された「A列車で行こう」など、その後スタンダードとなるナンバーの数々が生み出され、スウィング・ブームにも乗って次々とヒットを記録していきました。
スウィング・ブーム終焉以降もエリントン楽団は進化を続け、1966年には世界中を旅した経験から生まれ、日本をモチーフにした楽曲も含む『極東組曲』を発表し、グラミー賞にも輝いています。その他、映画音楽やミュージカルの作曲も含めて、エリントンは生涯に9回のグラミー賞を獲得しました。1974年5月24日にニューヨークで永眠する直前まで常に第一線で活躍したエリントンに影響を受けた音楽家は数多く、スティーヴィー・ワンダーは代表曲「愛しのデューク」でエリントンへの尊敬の念を捧げています。

『ザ・ポピュラー・デューク・エリントン』
(ソニー)

1966年に、それまでの代表曲を再アレンジして再レコーディングしたベスト・ヒット曲集。ビッグ・バンドの醍醐味が存分に味わえる演奏でエリントン入門者にもオススメ。
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