No.27  エルヴィン・ジョーンズ

ジャズの長い歴史を紐解けば、名ドラマーは数多くいますが、現在のシーンにその影響を最も強く及ぼしているドラマーを一人挙げるとすれば、それはエルヴィン・ジョーンズということになるでしょう。
1927年、ミシガン州ポンティアック生まれのエルヴィン・ジョーンズは、シンガーだった母とピアニストのハンク・ジョーンズ、トランペッターのサド・ジョーンズという二人の兄も持つ音楽一家で育ちました。ドラムはハイスクール時代から叩き始め、すべて独学で習得。1946年から3年間ほど軍に入隊しますが、そこでもドラムの演奏は続けていたそうです。退役するとデトロイト周辺で音楽活動を開始し、1955年にはニューヨークへ進出します。エルヴィンのドラム奏法は、アート・ブレイキーやマックス・ローチ、フィリー・ジョー・ジョーンズなどの先達が築いた伝統的なジャズの4ビート・ドラミングを踏まえながら、アフリカのリズムを取り入れて複合的なビートを生み出す革新的なものでした。このポリリズムを叩き出すためには両手足を自在に使いながらプレイする高度なテクニックが必要で、誰にも真似できない彼の個性となりました。瞬く間にチャールス・ミンガスやバド・パウエル、ソニー・ロリンズ、そしてマイルス・デイヴィスらビッグ・ネームとの共演の機会を持つことになり、エルヴィンの評判はジャズ・シーンに知れ渡っていきます。そして、1960年にはジョン・コルトレーンのグループに参加。これは史上最強のカルテットと謳われ、エルヴィンはコルトレーンの全盛期を伴にすることになりました。
1966年にコルトレーンの元を離れると、自己のグループやソロ・プレイヤーとしての活動が中心となっていきます。セッションも活発で、この時期に生まれた数々の名盤にそのプレイを刻んでいます。自身が率いるグループではジョージ・コールマンやデイヴ・リーブマンらのサックス奏者をフロントに立ててて活動します。また、親日家でもあったエルヴィンは日野皓正、菊地雅章、辛島文雄、鈴木良雄、川崎燎、鈴木勲ら、日本のジャズマンも自身のグループに登用しています。ちなみに彼の妻はケイコさんという日本人です。1978年に立ち上げたジャズ・マシーンというグループでは、若手の育成にも力を入れます。ジョシュア・レッドマンや恩人ジョン・コルトレーンの息子ラヴィ・コルトレーンなど、親子ほど年齢の離れた若手の指導もしました。最後まで現役でジャズ界のために貢献し続けた、そんなエルヴィンも2004年にニュージャージーの病院で心臓病のためこの世を去ったのでした。

『エルヴィン・ジョーンズ・ライヴ・アット・ザ・ライトハウス』
(EMI)

マイルスのバンドに在籍したデイヴ・リーブマンとスティーヴ・グロスマンというテナー二人をフロントにしたライヴ盤。当日が誕生日だったエルヴィン自身のプレイも超弩級。
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