No.23  デヴィッド・サンボーン

1970年代以降にシーンに登場したジャズ演奏家のなかで、唯一無二のオリジナルな音色を持つことにおいて、この人の右に出る者はいないでしょう。それはアルト・サックスのデヴィッド・サンボーンです。
1945年にフロリダ州タンパに生まれ、子供の頃にセントルイスに移住します。そして、実は幼少から小児麻痺を患っていた彼は、そのリハビリテーションの一環として医師から薦められアルト・サックスを吹き始めます。そのエモーショナルで歌うように奏でられる音色の原点は、そこにあるのかもしれません。15歳頃から地元のブルース・バンドに加入し、そこでアルバート・キングなど大物ブルースマンとの共演の経験を持ちます。1963年にノース・ウェスタン大学に入学して音楽を専攻。さらに1965年からはアイオワ大学でも音楽を学びます。1967年にサンフランシスコに移りポール・バターフィールド・ブルース・バンドに加わり本格的なプロ活動を開始します。1971年にはニューヨークへ進出。スティーヴィー・ワンダー、ポール・サイモン、デヴィッド・ボウイ、ジェイムス・テイラー、トッド・ラングレン、マイケル・フランクス、チャカ・カーン、イーグルス、リンダ・ロンシュタットなどなど、数々の大物ポップ・スターのセッションに参加して名を上げていきます。一方でジャズ・サイドでは1973年にピアニストで作編曲家のギル・エヴァンスが率いるオーケストラに加入。彼の右腕として働きます。1975年には当時の尖鋭的フュージョン・グループ、ブレッカー・ブラザーズにも加わって、サンボーンの名声は高まっていきます。
そして、遅ればせながら1976年に初リーダー『テイキング・オフ』を発表。それ以降はコンスタントに自身の作品をリリースし、1980年の『ハイダウェイ』が50万枚を超えるヒットを記録しゴールド・ディスクを獲得、1981年の『夢魔』もゴールド・ディスクとなり、さらにグラミー賞も受賞して押しも押されぬスターの座につきました。そして、その『ハイダウェイ』での共演がきっかけに親交が始まったマーカス・ミラーが次第にプロデュースを担うようになり、1980年代から1990年代初頭にそのファンキー・フュージョン・サウンドは熱烈な人気を博しました。近年はジャズやブルースにアプローチした、ややレイド・バックしたアルバムを発表していますが、あの“泣きのブロウ”はもちろん健在。来日ライヴでも元気な姿を毎年のように観せてくれています。

『ストレイト・トゥ・ザ・ハート』
(ワーナー)

マーカス・ミラーら強力メンバーを従えた1984年NYのS.I.R.スタジオでのライヴ録音盤。2度目のグラミー賞も獲得したサンボーンの真骨頂が味わえる必聴作品。
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