No.21  ナット・キング・コール

1940年代は当時の先端を走るジャズ・ピアニストとして活躍。そして、1950年代以降はポピュラー・シーンを代表するシンガーとして大成功を収めたのがナット・キング・コールです。
1917年(1919年という説もあり)にアラバマ州モンゴメリーに牧師の息子として生まれ、その後、家族でシカゴに移住します。家庭教師についてピアノを習得し、12歳頃からは父親の教会でオルガンを弾いていたそうです。同時に合唱団にも入って歌にも親しんでいきます。そして、20代になった頃から本格的にジャズ・ピアニストとしての活動を開始します。1939年にはナット・キング・コール・トリオを結成。このトリオはピアノとギターとベースという異色の編成で、当時ジャズ・トリオの新しいスタイルとして注目を浴びました。が、これには訳があり、当初はドラムを加えたカルテットだったのが、クラブ出演の本番にドラマーが姿を見せず止むなくドラムレスで演奏したのが始まりだそうです。また、ナットは始めピアノに専念していたようですが、クラブでのギグで酔った客にせがまれ仕方なく歌ったことがきっかけで、ピアニスト&シンガーという役割を果たしていくことになります。
転機となったのは1943年にこのトリオで録音したナットの自作曲である<ストレイトゥン・アップ・アンド・フライ・ライト>が100万枚を超える大ヒットを記録したことでした。ナットはシンガーとして一躍トップ・スターの座についたのでした。それとともにピアニストとしての才能も高く評価され、1946年には『エスクワイア』誌でピアニスト部門の金賞にも選出されています。しかし、この年にトリオを解散させるとナットは軸足を完全にシンガーへと移していきます。初のポピュラー・チャートNO.1ヒットとなった<フォー・センチメンタル・リーズンズ>を皮切りに<ネイチャー・ボーイ>、<モナリザ>、<トゥー・ヤング>など大ヒット・ナンバーを次々に繰り出し、1950年代以降はポピュラー・チャートの常連となっていきます。さらに、『セントルイス・ブルース』など映画への出演も果たすなど米国エンターテイメント界のシンボルとなりました。ところが、まだまだシンガーとして絶頂期にあった1964年に肺癌に冒され、手術するも翌年の2月に帰らぬ人となったのでした。1991年には愛娘ナタリー・コールがナットの生前の歌声を使って疑似デュエットしたアルバム『アンフォゲッタブル』を発表。グラミー賞を獲得して感動を呼びました。

『アフター・ミッドナイト』
(EMI)

1943年から専属契約したキャピトルに遺された数々の名盤の中でも代表作と謳われるのが本作。豪華メンバーをバックに粋なピアノ弾き語りを 聴かせる逸品。
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