No.19  ディジー・ガレスピー

チャーリー・パーカーとともにビバップ・ブーム推進の大きな両輪となった偉大なトランぺッター、それがディジー・ガレスピーです。特注して作った45度上向きに曲げたトランペットをカエルのように頬を大きく膨らませて吹く姿は、一度観たら忘れられないほどのインパクトです。
ディジー・ガレスピーは1917年にサウスカロライナ州で生まれ、煉瓦工でありながらアマチュア音楽家でもあった父親の影響で幼少から音楽に親しみます。14歳でトロンボーンを吹き始め、ほどなくしてトランペットに転向。1935年に家族でフィラデルフィアに転居すると、地元のローカル・バンドでプロ・ミュージシャンとしての活動を始めます。当時のアイドルはテディ・ヒル楽団の花形トランペット奏者だったロイ・エルドリッジで、彼の演奏を熱心にコピーしたそうです。1937年には運良くそのテディ・ヒル楽団にエルドリッジの後釜として加入しますが、若い頃のガレスピーは傍若無人な暴れん坊で、渡り歩く楽団ごとに次々と問題を起こしていきます。なかでも有名なのが、当時トップ・エンターテイナーであったキャブ・キャロウェイの楽団で親分のキャブと喧嘩になり、彼を刃物で刺して怪我を負わせる事件を起こしたことです。これは当時、ゴシップ新聞のトップ記事にもなりました。
その後、ライオネル・ハンプトンやエラ・フィッツジェラルドのバンドに在籍しながら、一方でギタリストのチャーリー・クリスチャンやピアニストのセロニアス・モンクらとビバップの萌芽となるアドリブを重視したジャム・セッションにも没頭していきます。その頃の演奏の様子は、名盤として知られる『ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン』にも記録されています。1942年にはチャーリー・パーカーと知り合い、お互いに切磋琢磨しながらビバップ・ムーヴメントの潮流を作り上げていきます。プレイヤーとしても豪快なハイ・ノートを繰り出す大変なテクニシャンであったガレスピーですが、作曲家としても類い稀な才能を発揮しています。今や大スタンダードである<チュニジアの夜>やビバップという名称の語源になったとも言われる<ビバップ>なども彼のペンによるものです。また、ビバップでジャズの芸術性を追求した後は、ラテンのリズムを取り入れたアフロ・キューバン・ジャズに取り組み、大衆芸能としてのジャズの発展にも寄与しました。以後は自身のビッグ・バンドやコンボを率いて、1993年に亡くなるまで硬軟取り混ぜたジャズの演奏を続けました。

『グルーヴィン・ハイ』
(コロムビア)

表題曲や<ソルト・ピーナッツ>など、自らのペンによる代表曲を含むビバップの古典的名盤。チャーリー・パーカー始め名ビバッパーたちが 大挙共演。
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