No.14  フランク・シナトラ

ジャズの範疇を超えた最高のポピュラー歌手として“ザ・ヴォイス”と称えられる世紀のスーパースター、それがフランク・シナトラです。1960年代がビートルズで1950年代がエルヴィス・プレスリーなら、1940年代の若い女性たちにとってのNO.1アイドルはシナトラでした。まさに一世を風靡した時代のヒーローだったのです。
1915年にイタリア移民の一人息子としてニュージャージー州で誕生。ティーン時代のヒーローはビング・クロスビーで、彼に憧れて歌手を志します。地元のクラブやラジオ局で歌う機会を得て下積みを重ねた後、偶然シナトラの歌声をラジオで聴いたハリー・ジェームスに誘われて彼の楽団の専属シンガーとして23歳でプロ・デビューします。そして、その一年後には当時大人気だったトミー・ドーシー楽団のオーディションに合格、さらにステップ・アップしていきます。ちなみにシナトラはトロンボーン奏者であるドーシーのプレイから滑らかなフレージングや巧みなブレス・コントロールを学び歌に活かしたと語っています。
1942年、遂に念願のソロ・デビュー。既にこの頃は人気ジャズ雑誌《ダウンビート》の人気投票で、憧れのビング・クロスビーを追い落として1位に輝くほどの人気を得ていました。ところが、1940年代後半から喉の疾患などもあり一時スランプを迎えます。しかし、そこで活動の場を新たに映画に求めて『地上より永遠に』ではアカデミー助演男優賞を獲得するなど役者としてのステイタスを築いていきます。1950年代に入るとキャピトル・レコードと専属契約を結び、それまでのクルーナー・スタイルから重厚な歌唱法へと変貌を遂げ、再び最盛期を迎えます。さらに1960年代には自身が設立したリプリーズから作品を発表し、その歌声は円熟の境地に達します。以後、サミー・デイヴィスJr.やディーン・マーティンを従えてアメリカ芸能界の帝王として長く君臨していくのでした。1990年代の最晩年にはバーブラ・ストライサンドやU2のボノら錚々たる顔触れとのデュエット・アルバムを発表して話題を呼び、1998年に心臓発作で亡くなる直前まで存在感を示し続けました。

『Nothing But The Best:シナトラ、ザ・ベスト!』
(ワーナー)

シナトラの没後10年を記念してリプリーズ時代の音源で組まれたベスト・アルバム。あの有名な<マイ・ウェイ>ほか、円熟期の名唱を堪能。
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