No.6  ビル・エヴァンス

女性からの人気の高さではジョン・コルトレーンもマイルス・デイヴィスをも凌ぐであろう白人ジャズマンの代表格でもあるビル・エヴァンス。その理知的な風貌とともに女性を引きつけるのは、何と言っても端正なピアノ・プレイでしょう。
1929年にニュージャージー州で生まれたビル・エヴァンスは、6歳からピアノやヴァイオリンなどを学びクラシック音楽を習得していきます。そして、そのことが後に彼のジャズ・ピアニストとしてのスタイルを特徴づける要因になっていくのです。当時の黒人ジャズ・ピアニストたちの間ではリズムを重視した激しい演奏が主流でしたが、エヴァンスはそれとは全く逆のメロディを中心にした繊細なタッチのピアノ・プレイを得意としていたのです。これは勿論クラシックに根差したものであったはずです。そして、これに目を付けたのがマイルス・デイヴィスでした。マイルスの編み出したモード手法はクラシックにヒントを得たものでもあったので、それを具現化させるためにもエヴァンスはうってつけのピアニストであったわけです。そして二人のコラボレーションの最も大きな成果が、マイルスの名盤『カインド・オブ・ブルー』となって結実したのです。
しかし、エヴァンスは悲劇の人でもありました。1960年代には最強のトリオと謳われた自身のバンドのベーシストであり僚友のスコット・ラファロを事故で失い、1970年代には、元妻と実兄が次々に自殺で他界していきます。そして自身も、酒とドラッグにより以前から患っていた肝臓の疾患により、51歳でこの世を去ったのでした。

『ワルツ・フォー・デビイ』
(ユニバーサル)

ビル・エヴァンスが姪っ子デビイに捧げた楽曲が表題となっているライヴ盤。ベースのスコット・ラファロとドラムのポール・モチアンを従えた最強トリオでの演奏で、この録音の10日後にラファロは急逝。
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