Vol.2  2011.7.12『DJ hondaと初共演』
新作『AFTERSHOCK』は、9歳でトランペットを始めて、10代で早くも米軍キャンプやキャバレーで演奏するなど、およそ50年のキャリアを誇る日野皓正さんが「今回の作品は、どんなにすごいヤツに批判されても、“冗談じゃない。オレがやりたいと思ったんだからさ”と初めて言える作品」だと語る自信作。長いキャリアの中で、レコーディング後にこれほど繰り返し聴いた作品はないそうです。
何が彼にそう言わせるのか。制作を始める前に息子さんで、ベーシストである日野賢二さんに「今度オレ違うことをやるからさ。ヒップホップの感覚を取り入れてね」と語り、賢二さんの友人であるDJ hondaをゲストに迎えています。日野皓正さんがジャズミュージシャンではなく、DJと共演するのは初めてのこと。その成功に「人が駄作だと言っても構わない。とにかくこの作品が出来て嬉しい」と言う。
自分に厳しいアーティストがここまで語る作品について、ご本人のインタビューをもとにご紹介していきたいと思います。
「DJ hondaはすごいよ。彼はジャズミュージシャンだね」

JJ:今回どのようなところから、DJ hondaと組むというアイディアは生まれたのでしょうか。

「ずっと前衛音楽をやってきたわけだけれど、前衛音楽の難しいところは、いかに自分達が満足しながら、一般の人に“これってカッコいいじゃん!!”と言ってもらえる作品を作ることなんだよね。オレが”音楽界のオヤジ“と思っているマイルス・デイヴィスも、トランペットのソロ演奏は変わらずとも、エレクトロサウンドを取り入れたり、ミュージシャンを変えたりと、いわゆる包装紙を変えることで世の中に自分の音楽をアピールしていた。今回マイルスがもし今生きているとしたら、どんな音楽を作るだろうと考えた時に、DJと組むのはおもしろいかもしれないってひらめいたのが最初だった」

JJ:DJと組みたいと考えたところで、それがhondaさんになったのはどういう理由から?

「息子の賢二に“今度DJと一緒にやってみたいのよ”と話したら、”オヤジわかった。知り合いを当たってみる“と紹介されたのがDJ hondaだった。彼とは新しい出会い。実際にやってみてすごいアーティストだと思ったよ」

JJ:レコーディングは、DJ hondaを含めて、全て即興演奏をふんだんに交えた、ライヴ方式で行われたと聞きました。

「そうなんだよ。普段の彼は、予め自分のスタジオでプログラミングした音をレコーディングに持っていくという方法で音楽を制作している。ところが、今回は、音の準備はしていても、全て他のミュージシャンと同じようにその場でコラボレーションを繰り広げていく。彼にとっては慣れない方法だったと思う。息子にも“DJ hondaにやれとか、やめろとか、それじゃダメだなんて言う人は、今誰もいないよ”って言われたけれど、彼とは演奏で会話をすることが出来た。ジャズというのは、セッションを通して会話をする音楽のわけだから、オレはDJ hondaに“君はジャズミュージシャンだよな”と言ったんだよ。それくらい彼はすごいことをやってくれた」

JJ:DJがジャズミュージシャンですか。

「彼も“これからオレもジャズミュージシャンって言っていいんだ”って歓んでくれたよ。しかもレコーディング後に全曲をリミックスして送ってくれたんだけれど、これがもっとヒップホップになっていてカッコいいし、すごく楽しいのよ。無駄な音もカットされているしね。DJ hondaは、やっぱりいろいろ考えている人だよ。今レコード会社と交渉しているんだけれど、このリミックスヴァージョンは、絶対にリリースしないといけないと思っているんだ」

日野皓正
『AFTERSHOCK』
ソニー・ミュージック・ジャパン・インターナショナル
好評発売中
【収録曲】
Inter Motion / Chip Talk / Aftershock / isn’t always / TKNYO2 / What Know / Jon Kyeong
【参加ミュージシャン】
(下記写真左から)日野賢二(eb) 小沼ようすけ(g) 石井彰(pf) 日野皓正 須川崇志(ab) DJ honda


◆ライヴ・スケジュール
7月25、26日 ブルーノート東京
http://www.bluenote.co.jp
◆オフィシャルサイト
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Arch/SR/TerumasaHino/
バックナンバー
日野皓正


◆vol.5「子供達にJAZZを教える」→ (2011.08.02更新)
◆vol.4「絵を描く理由」→ (2011.07.26更新)
◆vol.3「今の心境」→ (2011.07.19更新)
◇vol.1「9歳から始まったトランペッター人生」→ (2011.07.05更新)

PAGE TOP↑




FEATURE
アーカイブス一覧
【TOKU 『DREAM A DREAM』】

【マリーン『マリーン・シングス・ドナ・サマー』】

【KEIKO LEE
新作『ケイコ・リー・シングス・スーパー・スタンダーズ2』】


【ライラ・ビアリの
“ミュージック・ジャーニー”】


【サリナ・ジョーンズ
『サリナ - ザ・ファースト・ライブ』】


【JUJU『DELICIOUS』】

【トニー・ベネット『デュエットII』】

【矢野顕子X上原ひろみ
”Recording LIVE IN TOKYO“】


【日野皓正インタビュー】

【マリーン インタビュー】

【TOKUインタビュー】

【鈴木重子インタビュー】

【ハクエイ・キム インタビュー】

【ケイコ・リー インタビュー】

【エスペランサ ライブレポート】

【キム・ホールヴェック】

【女性ジャズ・シンガー特集vol. 2
“ジャズは自由な音楽”】


【女性ジャズ・シンガー特集vol. 1
JAZZYな歌で心酔わせて】


【カルロス菅野インタビュー】