Vol.2  2011.6.22『アルバム「INITIAL」
~初めてのセルフ・カヴァー集』
「海は静かだけれど、見えない深さがこわい。そんな気持ちでチャレンジしました」

新作『INITIAL』は、『マジック』をはじめとするマリーンの代表曲のセルフ・カヴァーを中心とした作品。彼女が自身のルーツである“フュージョン”に立ち戻って制作されました。収録曲は、多くが80年代に作られた曲ですが、今聴いても新鮮で、なぜ“フュージョン”が当時あれほどまでにブームになったのか。その楽しさを再認識させられる作品となっています。でも、なぜ今マリーンは、自分の曲を再レコーディングしたいと思ったのでしょうか。インタビューを連載するにあたり、まずはそのあたりからうかがっていきましょう。

JJ:今回のセルフ・カヴァーの企画について、どこから生まれたアイディアなのでしょうか。

「私がずっとやりたいと思っていたことなの。でも、オリジナルの完成度が高くて、自分で聴いてもカッコいいと思っちゃうから、カヴァーしたいと思う気持ちがある一方で、これは難しい課題、大変なレコーディングになるだろうなとは思っていました。海は静かに見えても、深くてこわいぞ、という感じ(笑)」

JJ:実際にカヴァーしてみていかがでしたか?

「最初に歌ったのは20代で、今は50代。その年齢差から“声が低くなったね”と言われるのは嫌だと思ったけれど、オリジナルよりキーを下げずに歌うことがまず出来ました。しかも、これがヒットしなかったらどうしよう、という当時のようなプレッシャーがなかったので、スタジオ入りする前は“コワイ”という気持ちがありましたが、実際に歌ってみると、すっごく楽しかった!! それから年齢差ということで言えば、人生経験を積んできた年輪が“歌の味”となって滲み出てくるだろうな、と思ったので、それも楽しみのひとつでしたね」

JJ:完成した作品を聴いてみて、どう思われましたか?

「これまでの作品と違って、レコーディングが終わり、CDになってからも何度も何度も繰り返して聴いています。自分で聴いていても居心地いいもの(笑)。車の中でも聴いているので、子供達も憶えてしまって、一緒に歌っていますね。
そして、20代の時には出せなかった“味”を自分でも感じられます。また、プロデューサーの安藤さんのおかげで、私がこだわった“細かいニュアンス”を歌に入れることが出来ました。その“細かいニュアンス”というのはレコーディングの際になかなか拾ってもらえないことが多く、簡単に消去されちゃうんですよね。それを安藤さんが大切にしてくれて、エンジニアの方も留意してくれた。本当にみなさんのおかげだと思っています」

動画のメッセージでご自身も「50代になって」とおっしゃっていますが、歌もマリーンさん自身もとても若々しく、実年齢よりも20歳は若く見えます。ライヴではパワフルに、素顔はチャーミング。それがマリーンさんの魅力だと思います。
 次回は、レコーディングに貢献してくれた安藤さんをはじめ、アレンジャーやミュージシャンについて語っていただきましょう。
マリーン
『INITIAL』
ソニーミュージック
好評発売中
【収録曲】
1.『ESP』 2.『ホワット・キャント・スピーク・キャント・ライ』 3.『マジック』 4.『ラヴィング・ユー』 5.『スキンドゥ・レ・レ』 6.『ピープル』 7.『サマー・ナイト』 8.『デジャ・ヴ』 9.『カム・フライ・ウィズ・ミー』(新曲)
【参加ミュージシャン】
安藤正容/野呂一生/須藤満/則竹裕之/安部潤/和泉宏隆ほか
【PROFILE】
フィリピン・マニラ生まれ。1978年に来日、当初アイドル歌手としてデビューしシングルを4枚発表するも、80年代からは本来希望していた本格的なジャズ・シンガーに転向。
1983年に発表したアルバム『デジャ・ヴー』(オリコンアルバム総合チャート最高位8位)や『マジック』(同5位)が共に20万枚を超えるヒットを記録。以後、スクエアやカシオペアに湧くフュージョン大全盛時代におけるディーヴァとして熱烈に歓迎され、ジャズ界の人気シンガーとして活躍。
その後、結婚を機にシーンの第一線からは距離を置きマイペースな活動を続けてきた。そして2007年、マリーンにとって9年ぶり、メジャーからは16年ぶりとなるアルバム『ジャズ&アウト/マリーンmeets本田雅人B.B.Station』を発表、本田雅人をプロデューサーに迎えてのこのコラボレーションALは大ヒットとなりジャズ・ファンに「マリーン健在」を強く印象付けた。
続くメジャー復帰第2弾で、マリーンのデビュー30周年を祝うものとなった『マリーン sings 熱帯JAZZ』(2009年)はカルロス菅野をプロデューサーに迎えての意欲作。
そして2011年、初心に戻ってフュージョンの王道を行く新作『INITILAL』を発表。豪華メンバーを迎えて、マリーンの歌がさらにパワフルに飛翔する。

◆レコード会社オフィシャルサイト
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Arch/SR/Marlene/
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◆vol.5「JAZZとの出会い」→ (2011.07.13更新)
◆vol.4「“リボーン“というキーワード」→ (2011.07.06更新)
◆vol.3「TOKUがヴォーカル・ディレクション」→ (2011.06.29更新)
◇vol.1「ライブレポート」→ (2011.05.31更新)

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