Vol.3  2011.5.20『マイルス・デイヴィスに憧れて』
「未だにマイルスの演奏を聴くと、涙が溢れてきますね。一番好きです」

マイルス・デイヴィスの影響で、中学時代にコルネットを始めたTOKU。なんと小学生の時に音楽をこよなく愛する父親に連れられて、マイルスのコンサートに行った経験があるそうです。
中学時代にマイルスのアルバム『ユア・アンダー・アレスト』を愛聴していた話は、前回少し触れましたが、当時耳で覚えて彼の演奏を一生懸命にマネていたと言います。その後、大学時代に本格的にマイルスに目覚め、それがジャズを演奏する入口となりました。
その頃の想い出話と同時に、マイルスをリスペクトする気持ちを語っていただきましょう。

JJ:小学生でマイルスとは随分と早熟ですね。

「残念ながら、小学生の時にいったマイルスのコンサートのことはあまり憶えていないんですよね。ジャズに限らず、親父が音楽を好きだったので、子供の頃からあらゆる音楽を聴いて育ちました。当時はアイドル全盛期だったので、聖子ちゃんとか、伊代ちゃんのヒット曲も聴いていましたけどね。
 最初に習った楽器はピアノでしたが、ほとんど記憶にありません。(笑)中学校では、それまでやってたサッカー部に入りたかったのですが、サッカー部が学校になかったので、半分仕方なく吹奏楽部に入りました。そして、小学校の時に見に行ったマイルスの演奏の記憶から、コルネットを演奏するようになりました。」

JJ:マイルスの演奏を耳で覚えて、演奏を?

「当時よく聴いていたのがマイルスのアルバム『ユア・アンダー・アレスト』でした。その後、高校で2つのバンドを掛け持ちして、大学では軽音楽部に入り、CDショップでアルバイトをしました。その時に買ったのがマイルスの50年代の作品。それまで80年代のマイルスしか聴いていなかったので、初めて彼のモダン・ジャズの演奏に触れて、それからまたマイルスのフレーズをコピーして…。
 そんな頃に朝霞にある洋風居酒屋の「停車場」でピアノトリオの人達とマイルスのフレーズをコピーした『イフ・アイ・ワー・ア・ベル』を演奏したら、実はこのコピーしたものがアドリブというものだと教えられて、「面白い!!」と。これこそが俺のやりたかったこと。求めていたことなんだという感覚があって、それ以来ジャズにのめり込んでいきましたね。バイト代を全てジャズのCDにつぎ込んで、浴びるように聴いていました」

JJ:アメリカに留学したのはその後ですか?

「そうです。大学2年の時に1年間、オレゴン州に留学しました。目的は語学留学でしたが、事前に個人情報欄に好きな音楽は、”ジャズ”と書きこんだので、ジャズピアノをひくルームメイトにあたり、到着したその日からセッションを始めました。留学中は、ずっと彼のバンドと一緒にライヴをやることになるのですが、当時はまだ2,3曲しかレパートリーがなくて。そこで彼から曲のリストを渡されると、譜面を片っ端からコピーさせてもらって、夜な夜な学校の練習室に行っては練習を重ねて、というのを繰り返していましたね。大学の練習室は、夜11時までに入れば、朝までいられるので、一日の最後を毎晩そこで過ごしていました。そうやって徐々にレパートリーを増やしていったんですよね。あの頃、一番充実していたかもしれないなぁ…」

JJ:マイルスをリスペクトする理由は?

「マイルスが一番好きですね。今も彼の演奏を聴くたびに涙がこぼれて、こんな風に吹けるようになりたいなぁって。彼は、天才肌の人と思われているけれど、それだけじゃなくて、常日頃からどうやったら観客を楽しませることができるか。それを考えていた人で、だからこそいろんな音楽を聴き、いろいろ演奏したんだと思う。努力を重ね、他の人がやっていないことをずっとやってきた。そういうミュージシャンだと思います」

そして、現在TOKUは、楽器をフリューゲルホーンに持ち替えて、ジャズというジャンルに留まらず、J-POPのアーティストとも積極的に共演するなど、音楽界で活躍しています。
 次回はいよいよ4月27日にリリースされたデビュー10周年記念アルバム『TOKUsings&playsSTEVIEWONDER』について存分に語っていただきましょう。
TOKU
『TOKU sings & plays STEVIE WONDER』
ソニー・ミュージック
好評発売中


◆ライヴ・スケジュール
6月3日  ブルーノート名古屋(名古屋)
6月10日  umeda AKASO(大阪)
6月11日  Mt.RAINER HALL SHIBUYA PEASURE PLEASURE(東京)

その他のスケジュール
http://www.toku-jazz.com/
【PROFILE】
1973年2月20日生まれ。新潟県出身。日本で唯一のヴォーカリスト&フリューゲルホーン奏者。父親の影響で子供の頃からあらゆる音楽を聴いて育つ。一番影響を受けたアーティストは、マイルス・デイヴィス。大学卒業後にライヴハウスで歌っているところをアメリカのラジオ・パーソナリティーにスカウトされる。そして、2000年1月にアルバム『Everything She Said』でソニー・ミュージックよりデビュー。日本はもとより海外でも注目されており、韓国、中国、ヨーロッパでライヴを行っている。

◆TOKU plays and sings STEVIE WONDER SPECIAL SITE
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/TOKU/
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