Vol.8  2011.3.3『海外進出!!』
連載最後に2011年のトピックとして海外進出について教えていただけますか。
世界中で演奏するのが夢

アルバム『トライソニーク』が韓国と香港でリリースされることになりました。それに伴い、3月に香港でプロモーション・ツアーを行います。そして、5月に香港インターナショナル・ジャズ・フェスティバルへの出演も決まりました。素直に嬉しいですね。オーストラリアに住んでいる時も思いましたが、華僑でも広東語圏の人儀との文化ってすごく興味深いんですよね。
海外での演奏はこれまでも経験ありますが、楽しみであると同時に勇気がいる面もあります。実は、見ず知らずの土地で観客に音楽で語りかけるというのは勇気のいることなんです。それが出来るのは自分の自信次第。大丈夫かな?という不安を抱えて演奏すると、観客にも伝わってしまう。だから、今僕に必要なのはどんなことにも動じない精神的な強さ。ヨガをやるべき?とかいろいろ考えるんですよ(笑)。結局は練習しかないんだけれど…。
僕の理想は、現地でインスピレーションを得て書いた曲を現地で演奏すること。ミュージシャンである僕の言語は音楽のわけだから、自分の演奏で世界のことを語り、世界中の人々の前でそれを演奏して旅をする。それが理想であり、夢でもあります。演奏旅行で行くと、観光の場合とは違い、より現地の人々と深く関わることができる。それがまたいいんですよね。もちろんオーストラリアでも演奏したいです。

連載はとりあえず今回が最終回になりますが、ハクエイさんに聞いてみたい質問、または彼に関する特集などで希望がありましたら、ぜひメールを使って編集部にご連絡をください。感想でも結構です。お待ちしています。
アルバム紹介 ハクエイ・キム『トライソニーク』

ハクエイ・キムさんは、オーストラリアでジャズに出会い、シドニー大学大学院で音楽を学びました。オーストラリアは、ジャズの中心地でありません。オーストラリアのジャズ・ミュージシャンは、ジャズはアメリカの民俗音楽であり、自分達がやっている音楽は“インプロヴァイズド・ミュージック”という意識があるそうです。まさにフロンティアの精神だと思いますが、即興演奏は、その場のひらめき、心模様などで音楽を構築するもの。それは、演奏のスキル以上に人間性が表れてしまうものであり、ミュージシャンにとってはある意味プレッシャーでもあるはずです。
アルバム『トライソニーク』は、ハクエイ・キム、杉本智和、大槻”KALTA“英宣の3人が時には激しく、時には穏やかに情熱をぶつけあい、9篇の物語や情景を描いているような作品です。低音のピアノが力強く響く演奏から始まる1曲目の『トライソニーク』。それはまるで自分達の音楽を高らかに宣言するような楽曲で、演奏に漲る緊張感が聴き手にいい刺激を与えてくれます。
また、トライソニークは、ジャズのスタンダードを演奏するトリオではありませんが、『テイク・ファイヴ』という曲は、意図したことではないそうですが、デイヴ・ブルーベックの代表曲『テイク・ファイヴ』がモチーフに使われています。耳馴染みのあるメロディもこういう風に演奏されると、全く印象が変わる。驚きと共に音楽がどんな風にも変貌できてしまう、その可能性にワクワクしてしまいます。そんな出会いもあるアルバムです。
そして、しなやかな指の動きが目に浮かぶようなハクエイさんのピアノが堪能できるトライソニークの第1弾アルバム。まだ聴いていない、という方は、ぜひチェックしてみてください。

ハクエイ・キム
『トライソニーク』
ユニバーサル/好評発売中
◆2011年アルバム発売記念ツアー
2月2日 稲毛Jazz Spot
3月25日 静岡・ライフタイム
3月26日 名古屋・ラブリー
3月27日 岐阜・バードアンドディズ
3月30日 桐生・ビレッジ
4月5日 ビルボードライブ大阪
4月8日 広島・スピークロー
4月9日 下関・ビリー
4月10日 ビルボードライブ東京
【PROFILE】
1975年京都生まれ。日本人と韓国人のクォーター。5歳でピアノを始め、高校時代にブリティッシュ・ロック・バンドの影響を受け、1994年にYAMAHA主催『ティーンズミュージックフェスティバル札幌』でベストキーボーディスト賞を受賞する。
高校卒業後にオーストラリアに語学留学。のちに音楽専門学校を経て、シドニー大学音楽院に入学する。在学中にオーストラリアを代表するピアニスト、マイク・ノックに師事。2005年に日本に帰国。5月にDIWよりアルバム『Open the Green Door』をリリース。フランスのジャズ誌・JAZZMANで4つ星の高い評価を得る。2006年に2ndアルバム『Home Beyond the Cloud』、2008年に3rdアルバム『Shadow of Time』をそれぞれ発表。そして、翌年に杉本智和、大槻”KALTA”英宣とトライソニークを結成する。トリオ名のTrisoniqueとはTri(3)+Sonic(音)+Unique(唯一無二)から作られた造語。

オフィシャルサイト http://www.hakueikim.jp/
バックナンバー
ハクエイ・キム


◆vol.9「ライブレポート」→ (2011.04.204更新)
◇vol.7「アルバム『トライソニーク』」→ (2011.02.24更新)
◇vol.6「トライソニークの結成」→ (2011.02.17更新)
◇vol.5「ジャズではなく、インプロヴァイズド・ミュージック」→ (2011.02.10更新)
◇vol.4「恩師マイク・ノックの衝撃」→ (2011.02.03更新)
◇vol.3「オーストラリアに留学」→ (2011.01.28更新)
◇vol.2「ブリティッシュ・ロックに夢中」→ (2011.01.25更新)
◇vol.1「ピアノとの出会い」→ (2011.01.06更新)

PAGE TOP↑




FEATURE
アーカイブス一覧
【TOKU 『DREAM A DREAM』】

【マリーン『マリーン・シングス・ドナ・サマー』】

【KEIKO LEE
新作『ケイコ・リー・シングス・スーパー・スタンダーズ2』】


【ライラ・ビアリの
“ミュージック・ジャーニー”】


【サリナ・ジョーンズ
『サリナ - ザ・ファースト・ライブ』】


【JUJU『DELICIOUS』】

【トニー・ベネット『デュエットII』】

【矢野顕子X上原ひろみ
”Recording LIVE IN TOKYO“】


【日野皓正インタビュー】

【マリーン インタビュー】

【TOKUインタビュー】

【鈴木重子インタビュー】

【ハクエイ・キム インタビュー】

【ケイコ・リー インタビュー】

【エスペランサ ライブレポート】

【キム・ホールヴェック】

【女性ジャズ・シンガー特集vol. 2
“ジャズは自由な音楽”】


【女性ジャズ・シンガー特集vol. 1
JAZZYな歌で心酔わせて】


【カルロス菅野インタビュー】