Vol.8  2010. 6. 25『新作「Liberty」のカヴァー曲』
これから夏に向けてオススメしたいのがラテンジャズです。あなたは、ラテンジャズを聴いたことがありますか? ジャズにラテンの情熱的なリズムを加えた、聴くというよりは踊り出したくなるような魅惑的な音楽です。その魅力を熱帯JAZZ楽団のリーダー、カルロス菅野さんに教えていただきたいと思います。
長年温めていた曲をカヴァー

熱帯JAZZ楽団のアルバムは、毎回オリジナル楽曲とカヴァーで構成されている。新作『Liberty』には5曲のカヴァーを収録。

◆『パラディアム
 ウェイン・ショーターというサックス奏者が77年に当時参加していたバンド≪ウェザー・リポート≫のために書いた曲。すごく難しい曲だとわかっていたけれど、僕らなりのアレンジでやっていたいと挑戦をした。

◆『サタデイ・イン・ザ・パーク
 72年に全米3位になったシカゴのヒット曲。最近CMに使われているけれど、ずっと取り上げたいと思いつつ、平凡なカヴァーに陥る危険があるので、踏み切れずにきた。今回は、15周年のタイミングを逃したら、2度と出来ないかもしれないと感じたので、思い切って(笑)。

◆『アイヴ・ガット・ザ・ワールド・オン・ア・ストリングス』(ヴォーカル:カルロス菅野)
 1932年に書かれたスタンダードで、フランク・シナトラの十八番で知られている。彼は歴史に残る大歌手。彼のレパートリーをビッグバンドの演奏で歌うなんて大それたこと。でも、50歳を迎えた時にヴォーカリストとしての封印を解いたこともあり、この曲も思い切って取り上げた。中路英明のアレンジが素晴らしく、歌っていても気持ちがいい。

◆『リバティ・シティ
 ≪ジャコ・パストリアス≫が書いた曲で、彼の名演が残っているので、この曲もリスキーだと思ったけれど、15年の経験が僕の背中を押してくれた。緻密に組みたてられた曲なので、オリジナルを大幅に崩すようなことは出来ないけれど、僕らのカラーは十分に発揮出来たと思う。

◆『ブラック・オア・ホワイト
 マイケル・ジャクソンの91年に全米1位になったヒット曲。『This is It』を観て、スーパースターがエンターテイメントすることに費やす膨大なエネルギーに感動した。彼へのリスペクトからもマイケルを取り上げたいと考えたけれど、彼の楽曲はメロディがシンプルなので、インスト曲にするのは意外と難しい。そのなかでこの曲にはメロディ感があり、いいグルーヴもあるので、これならと思った。実際に演奏してみてもおもしろかった。

熱帯JAZZ楽団14thアルバム
『熱帯JAZZ楽団XIV~Liberty~』
ソニーミュージック・ジャパン・インターナショナル/\2,940/好評発売中
【PROFILE】
カルロス菅野
1957年東京生まれ。大阪で過ごした大学時代にパーカッションに出会う。1984年に≪松岡直也グループ≫に参加し、日本のフュージョン界にデビューする。と同時にオルケスタ・デ・ラ・ルスに参加。89年に松岡直也グループを脱退し、オルケスタ・デ・ラ・ルスの一員として渡米。NYでライヴを行い、評判となる。翌90年に世界デビューを果たし、デビュー・アルバムがビルボードのラテンチャートで1位を獲得。93年にその活躍が認められて、国連平和賞を受賞する。95年にバンドを脱退。その後に熱帯JAZZ楽団を結成する。
オフィシャルサイト:http://www.carloskanno.com/

熱帯JAZZ楽団
1995年に結成。当初メンバーは固定制ではなかったが、現在はリーダーのカルロス菅野を中心に16 名で活動する。メンバーはいずれも日本を代表するミュージシャン。熱帯JAZZ楽団のアルバム以外でも多くの作品できっと名前を見つけられるはず。これまでに13枚のアルバムをリリースしている。
【メンバー紹介】
パーカッション:カルロス菅野、ティンバレス:美座良彦、ドラムス:神保彰、ベース:高橋ゲタ夫、ピアノ:森村献、トランペット:佐々木史郎、鈴木正則、奥村晶、松島啓之、トロンボーン:中路英明、青木タイセイ、西田幹、サックス:近藤和彦、藤陵雅裕、野々田万昭、宮本大路
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