Vol.3  2010. 5. 28『オルケスタ・デ・ラ・ルス
in NY(1)』
これから夏に向けてオススメしたいのがラテンジャズです。あなたは、ラテンジャズを聴いたことがありますか? ジャズにラテンの情熱的なリズムを加えた、聴くというよりは踊り出したくなるような魅惑的な音楽です。その魅力を熱帯JAZZ楽団のリーダー、カルロス菅野さんに教えていただきたいと思います。
東洋人の演奏にラティーナが大興奮

最初にバンドでNYに行ったのは89年のこと。現地でライヴをブッキングしてあげる、というエージェントがいたからだけれど、渡米するまでにスポンサーを見つけられなかったので、全員が自費で行った。空港に着いてみると、迎えの車は来ていないし、ホテルはクイーンズの墓地の前にあるモーテル。出演するクラブも治安の悪いヤバい場所にあった。
そのクラブに来るのは地元のコロンビア人。彼らにとってそこで踊るのが週末の楽しみになっている。ところが、ステージにいるのは東洋人ばかり。当然怪訝な雰囲気が漂うわけだけれど、演奏を始めてしばらく経つと、1組、また1組とだんだん踊り始めるカップルが増えて、どんどんテンションが上がっていく。終盤には熱狂の渦となり、「ボンサイ!!」と叫ぶ人まで出てきた(笑)。
ラティーノの世界には不思議な結束力があって、口コミで僕らのライヴの評判が広まり、回を追うごとに観客が増えていった。ビレッジゲート(現在はS.O.Bで行われている)で恒例になっているイベント“サルサ・ミーツ・ジャズ”に出演した時にはクラブの前に長蛇の列ができた。コンサートでは僕らはジャズも出来るから、ゲスト参加したトランペッターのジョン・ファデスも盛り上がっちゃって、2曲演奏すればいいところを彼は最後まで演奏し続けた。
僕らの評判は、業界にも届き、パラディアムという巨大ディスコに出演した際にはレコード会社の社長がきて、僕らと契約したいと言ってきた。ただ彼が用意した契約書の内容がひどいもので、英語を訳してくれた現地の友人に「やめとけ」と忠告されました(笑)。
その後、僕らは帰国し、契約が整った90年に全米デビューすることになった。

熱帯JAZZ楽団14thアルバム
『熱帯JAZZ楽団XIV~Liberty~』
ソニーミュージック・ジャパン・インターナショナル/\2,940/好評発売中
【PROFILE】
カルロス菅野
1957年東京生まれ。大阪で過ごした大学時代にパーカッションに出会う。1984年に≪松岡直也グループ≫に参加し、日本のフュージョン界にデビューする。と同時にオルケスタ・デ・ラ・ルスに参加。89年に松岡直也グループを脱退し、オルケスタ・デ・ラ・ルスの一員として渡米。NYでライヴを行い、評判となる。翌90年に世界デビューを果たし、デビュー・アルバムがビルボードのラテンチャートで1位を獲得。93年にその活躍が認められて、国連平和賞を受賞する。95年にバンドを脱退。その後に熱帯JAZZ楽団を結成する。
オフィシャルサイト:http://www.carloskanno.com/

熱帯JAZZ楽団
1995年に結成。当初メンバーは固定制ではなかったが、現在はリーダーのカルロス菅野を中心に16 名で活動する。メンバーはいずれも日本を代表するミュージシャン。熱帯JAZZ楽団のアルバム以外でも多くの作品できっと名前を見つけられるはず。これまでに13枚のアルバムをリリースしている。
【メンバー紹介】
パーカッション:カルロス菅野、ティンバレス:美座良彦、ドラムス:神保彰、ベース:高橋ゲタ夫、ピアノ:森村献、トランペット:佐々木史郎、鈴木正則、奥村晶、松島啓之、トロンボーン:中路英明、青木タイセイ、西田幹、サックス:近藤和彦、藤陵雅裕、野々田万昭、宮本大路
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