ジャズの専門用語や作曲家、アーティストを調べられます。 少しずつ充実させていきますので、ご利用ください。


クルーナー(CROONER)

マイクロフォンが発達していなかった1920年代以前のジャズ・シーンでは、声量が豊かであることが歌手の必須条件でした。ところが、マイクを使って歌うことが一般的になってくると、大きな声を張り上げるだけではなく、細かいニュアンスを表現することが求められるようになってきます。
すると、マイクに乗せて静かに囁くように歌ったり、低音で呟くように歌ったり、小さな声で優しく歌うなど、新しい歌唱法で歌うシンガーが登場してくるようになりました。それがクルーン唱法と呼ばれるようになり、そのようなスタイルを得意とする男性シンガーがクルーナーと称されるようになったのです。
その元祖がビング・クロスビーと言われ、他にもペリー・コモやナット・キング・コール、トニー・ベネットなども、その代表に挙げられます。

ポリリズム(POLY RHYTHM)

二つ以上の異なったリズムが同時に発せられ、独特のリズム感が生まれること、またそのような奏法をポリリズムと言います。
アフリカを始めとした世界各国の民族音楽にも、そのような例は多く見られます。ジャズではハード・バップ期から、特に黒人ミュージシャンたちによってポリリズムを使った音楽表現が盛んになります。
その代表的な例が1960年代のマイルス・デイヴィスが率いたクインテットでしょう。1969年に発表したアルバム『ビッチェズ・ブリュー』では、ドラマー二人を同時に演奏させてポリリズムを生み出す手法を取っています。
また、ドラマーのエルヴィン・ジョーンズは、一人でポリリズムを叩き出すプレイヤーとして有名です。

4ビート(FOUR BEAT)

4分の4拍子の曲で4分音符を基本単位としたビートのことを4ビートと言います。そして、ジャズでは2拍目と4拍目の裏拍にアクセントを置く、バック・ビートというスタイルをとります。スウィングやモダン・ジャズはこの4ビートの音楽です。ただ、1960年代以降のジャズでは、ドラマーのスティーヴ・ガッドやトニー・ウィリアムスが4拍すべて均等にアクセントをつけるスタイルも打ち出しました。
同じように8分音符を基本単位にとしたものが8ビートで、ロックや一般的なポップスによく使われます。また、16分音符を基本単位にした16ビートはフュージョンやファンクなどで頻繁に使用されます。
また、ジャズの4ビートは4分音符1拍を3連符で感じて、真ん中の音符を抜いたものがノリの基本として流れています。

ブーガルー(BOOGALOO)

1960年代後半から1970年代前半にかけて、ニューヨークを中心に流行したダンサブルなラテン・ミュージックであるブーガルー。キューバやプエリトリコなどカリブ海諸国の伝統音楽とアメリカのR&Bが結びついて誕生したものと言われます。
シンプルなコード進行を持った明るく楽しいパーティー・ミュージックとして一世を風靡しましたが、ブームは長く続かず1970年代後半には衰退していきました。しかし、同じ中南米音楽であるサルサにその要素が取り入れられて、それはニューヨーク・サルサと呼ばれ次に一時代を築きました。
ジャズでは1967年に、アルト・サックスのルー・ドナルドソンがブーガルーの流行に敏感に反応して『アリゲイター・ブーガルー』というアルバムを発表しています。タイトル・ナンバーは《ビルボード》チャートにランク・インするほどのヒットとなりました。

ホンキー・トンク(HONKY TONK)

1910年代にアメリカ南部や南西部で発祥した音楽演奏を聴かせるバーのことをホンキー・トンクと呼びました。特にニューオーリンズなどでは、ダンス・ホールやキャバレーで賑わうネオン街に数多くのホンキー・トンクが建ち並んでいました。
そして、そこで演奏されていたラグタイムを崩したようなスタイルのジャズのことをホンキー・トンクと呼ぶようになりました。
基本的に安酒場なので、ホンキー・トンクではピアノの調律もきちんとされておらず、微妙にずれた調律のまま演奏されていました。しかし、それが逆に良い味わいを生み出して、ホンキー・トンク・ピアノとして他のジャンルでも重宝されるようになりました。

モード(MODE)

“スケール=音階”に対して、“モード=旋法”と訳される、曲やメロディの背景にある音の配列を表す言葉で、有名なものに教会旋法などが あります。
ジャズでは、ハード・バップの時代にコード進行に縛られるアドリブ演奏に窮屈さを感じていたトランペットのマイルス・デイヴィスやピアノのビル・エヴァンスらが、モードという考え方を提唱しました。和音(コード)の構成音に囚われると使える音数が少ないという不自由さをこれで解消していきました。
アイオニアン、ドリアン、フリジアン、リディアン、ミクソリディアン、エオリアン、ロクリアンの7種類があり、他にアラビアのマカーム、インドのラーガといった音階もモードとして用いられることがあります。
このモードという考え方を基調としたジャズがモード・ジャズと呼ばれ1950年代末から1960年代にかけてジャズの主流となりました。その代表的な名盤がマイルスの『カインド・オブ・ブルー』です。

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