Vol.1  女子JAZZ部CAMPAIGN2011
樹里からんの新作『TORCH』は、初めてJ-POPのカヴァーに取り組んだ意欲作。『接吻/kiss』や『ANNIVERSARY』といった名曲をオリジナルのメロディを大切にしつつ、“樹里からん色”で染めあげています。30歳の成熟したなめらかで、気品に満ちたジャジーなヴォーカルがまったりと空間を包み込んでくれる。それがとても心地好く感じられます。40代から50代の方は特に、『恋人よ』と『時代』に感動されるのではないでしょうか。


Q:今までは英語で歌っていましたよね。今回はなぜJ-POPの名曲を日本語で歌われたのでしょうか。

「前作『She –Love Jazz-』は、英語で歌ったことで、海外で高く評価していただきました。そのことはとても光栄でしたが、私の中でもっと日本の方にも聴いてもらいたい。母国語でリアルな感情を込めて歌ってみたい。そういう気持ちがあったので、今回J-POPの曲にチャレンジしました」

Q:メロディをとても大切に歌っているという印象を受けました。日本語の歌をジャジーにカヴァーするのは難しいのでは?

「ジャズは、リズムやグルーヴが大切なので、英語だと言葉をはしょったり、声を小さくしたり、大きくしたりすることで、リズミカルに歌うことが出来ます。でも、それを日本語の歌ですると、歌詞が聴こえにくくなって、歌の心が伝わらなくなってしまうので、そこに留意しながら、ジャズのリズムやグルーヴ感を出すことに心を砕きました。
実際にやってみて発見したのは日本語の歌をジャズ風にアレンジすることで、予想以上にカッコよくなること。これはアレンジャーさんの手腕によるところが大きいのですが、今回やってみて、継続的に日本語の歌に取り組んでいきたいと思いました」

Q:これまでもアルバムではポップ・ソングをジャズのアレンジで多く歌っていますよね。それはなぜ?

「子供の頃から父の影響でジャズに親しみ、当初はジャズ・シンガーになりたいと思い、スタンダードも歌っていました。それがある時からコンテンポラリーな曲に古いジャズのテイストを吹き込みつつ、歌う楽しさに目覚めてしまったんですよね。しかも、ポップ・ソングだと、ジャズ・ファン以外の方にも親しんでいただける。そこにも歓び、醍醐味を感じられたのが大きい。ですので、自分ではジャズ・シンガーだとは思っていないんですよね…」

Q:でも、ジャズのテイストが個性になっていますよね。あなたにとってジャズの魅力とは?

「フリーであることですよね。楽譜はあってもないようなものだし、自分の情熱、気持ちをストレートに音楽にぶつけることが出来る。それこそ全力を尽くして自由に演奏していく。そのカッコよさにとにかく惹かれますね。
そして、私自身は、原曲のイメージをゼロにして、原曲の素晴らしさを生かしつつも、樹里からんが歌うとこうなりますよ。という自由なチャレンジが出来る。そこがジャズで出来る魅力だと思っています」

Q:さて、海外、とりわけ台湾で大人気。新作も台湾で先行発売されているし、ホールでのコンサートも大成功している。台湾での反響というのはどんな感じなんでしょうか。

「まず自分の歌が台湾をはじめ、アジアのiTunesでヒットしたのは意外でした。その台湾ですが、観客の方々が温かく、素直に私の歌を聴いて下さっているのが印象的でした。ジャンルへのこだわりがなく、純粋に好きだからとか、いいからという理由で聴いて下さり、コンサートにも足を運んで下さっている。手拍子とか、一緒に歌ってくれたりとか、とにかくあったかいなぁと思いましたね」

Q:最後に時代にも幅がある選曲について教えてください。

「最初に候補曲が50曲くらいありました。その中で私自身は、『時代』と『ワインレッドの心』は、ぜひ歌いたいと思いました。反対に自分がリアル世代の歌『接吻/kiss』と『Ti Amo』は、どうかなと思ったのですが、やってみて結構ハマりましたね(笑)」

写真だとクールな感じに見えますが、ご本人は気取らず自然体が素敵な愛らしい方でした。自由という言葉が何回か出てきたので、その理由をたずねると、「性格的にとにかく自由でありたいと思っている」との答えでした。 アルバム『TORCH』、J-POPの名曲、なかには30年近く前の曲がありますが、それが時代を超えてカッコよく蘇っている。その生まれ変わりが楽しめます。視聴する>>
樹里からん
『TORCH』
ユニバーサル
≪収録曲≫
接吻/kiss/Ti Amo/恋人よ/PRIDE/ワインレッドの心/ミスター・サマータイム/セカンド・ラブ/カムフラージュ/ANNIVERSARY/時代/Shima-Uta(ボーナストラック)
【PROFILE】
1981年山口県生まれ。幼い頃から父の影響でジャズを聴き、J-POPから洋楽まで幅広い音楽に親しむ。大学時代にJelly fishというロック&フォーク・デュオを組み、関西地方で活動する。そして、2003年に新星堂主催のオーディション『CHANCE』で準グランプリを受賞。2006年に『TOKYO JAZZ 2006』のプレイベントでパフォーマンスしたところ、大評判となる。2008年にデビュー・アルバム『LOVER’S JAZZ』を制作。翌年2ndアルバム『She –loves jazz-』を発表すると、台湾で初登場1位、日本でもBillboard Japanのジャズ・チャートで1位を記録する。2010年には上海万博でも演奏している。
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